サーバのイメージ

仮想化の意味は?

サーバのリソースが効率よく利用されている様子

大規模システムは多数のサーバやネットワーク機器などのコンピュータで構成されております。システム全体から見たときに各コンピュータの資源が効率よく使われなく余剰が出る場合があります。仮想サーバは複数台のコンピュータのリソースを単一のコンピュータで共有することで有効活用が出来ます。また仮想環境のシステムはシステムは中〜大規模のものが多く複数台の仮想マシンで構成されているものです。1台の仮想マシンが故障してしまったときもシステムのリソースを共有しているため、他の仮想マシンが補うことでシステム障害を一時的に凌ぎ大規模障害に発展せずに収束できる点もメリットです。

仮想化の意味はコンピュータのリソースを抽象化することです。コンピュータやインターネットを利用したサービスの拡大に伴って「仮想通貨」「仮想現実」「仮想環境」など「仮想」という言葉を良く聞くようになりました。サーバの仮想化もそのうちの一つかもしれませんが、実はコンピュータそのものが高価で貴重だったメインフレームの時代から、限られたリソースを有効活用することから考えられたコンセプトです。「仮想」とは実際にないものを仮にあるものとして想定することで、「仮想化サーバ」とは実際には1台のサーバを、複数台あるようにして利用できるようにすることです。

仮想化と「共有」の概念

パソコンやスマートフォンなどを個人で利用して入れば占有になります。しかしサーバやネットワークは複数のクライアントが共有して利用しているものです。仮想マシンも同様で、複数のハードウェアのリソースを単一のハードウェアで共有することになります。つまり仮想化を例えるのならば、実物のコンピュータを仮想化して複数台のリソースを「共有」している状態というのが一番近い表現になるかと思います。

仮想化サーバの仕組みは、どのようになっているのか

仮想化の図解

例えば専用サーバであれば高速処理を求められるサービスが稼働しているのでCPUとメモリを多く使うがストレージ容量の空きには余裕があります。またバックアップサーバは重要データを保管しているのでストレージ容量は圧迫しますが処理能力を求められるCPU、メモリには余裕があります。仮想サーバでは、このようなリソース余剰分を有効活用ができるためシステム全体のリソースを効率よく利用できます。

「仮想化サーバ」について概念としてはご理解いただけたかと思いますが、実際にないものを仮にあるようにする、と言われても良くわからないかもしれません。どのような仕組みで実現しているのでしょうか?物理的な環境にあるハードウェアに仮想化ソフトウェア使った基盤をつくり、その上に仮想化されたハードウェアを配置します。仮想化サーバ上では、それぞれ別々のOSやアプリケーションを作動させることができます。これによって限られた物理的なリソース(CPU、メモリ、ハードディスク、ネットワークなど)の能力を有効活用することができます。

異なる機能のサーバでも単一の仮想サーバでリソース管理が可能

図はハイパーバイザー型の仮想マシンです。それぞれ異なるサーバはメールサーバ、専用サーバ(データの一斉配信、アプリケーションのプログラム機能、顧客管理データベースなど大規模なシステムに用いられる高速処理やハードウェアに掛かる負荷にも耐えれる高性能のサーバ)、グループウェアサーバ、テスト環境サーバ、バックアップサーバなど多岐にわたります。機能が異なってもコアイメージで各サーバの機能を単一のハードウェアで擬似的に稼働させることができます。

仮想化のメリット

仮想化サーバに関するメリットは以下の3つが挙げられます。

CPU、メモリ、ディスク使用率などのリソースを有効活用できる

物理サーバを複数運用している場合だと、その中で普段利用していないサーバがありシステム全体的に見たときにハードウェアのリソース使用率に余剰が出るときがあります。仮想化は複数の小規模のサーバを単一化することができるので、余剰分のリソースを有効活用しシステム全体のリソース効率化ができます。

障害に強いシステム構成ができる

仮想サーバで構成されたシステムは中〜大規模なものが多く、数十台の物理サーバで連携されています。その中でもし、1台のサーバが故障してしまいサーバダウンしてしまったときでも、他のサーバが補うことでシステム全体の致命的な障害に発展せず損害が少なく収束できます。

サポート終了のOSやソフトウェアなど古いシステム環境をそのまま移行できる

サーバOSやミドルウェアや業務用アプリケーションなどを社内のシステムの都合上で古い環境のまま利用したい場合があります。仮想化サーバは大元である仮想サーバのOSが最新であれば問題なく利用できる利点があります。

仮想化のデメリット

仮想化サーバに関するデメリットは以下の3つが挙げられます。

処理能力が低下する場合がある

仮想サーバにインストールする仮想基盤のことを仮想化レイヤーと呼びます。仮想化レイヤーはサーバのOSの役割をし仮想環境の基盤を支えているものです。仮想サーバは、ハードウェアの性能が低いと仮想化レイヤーの処理能力が低下する場合があり、物理サーバに比べて思ったよりもパフォーマンスが出ない現象(オーバヘッド)が発生する可能性があります。

小規模だとコストパフォーマンスが悪くなる

サーバ数台程度の小規模のシステム構成の場合は、初期導入費とランニングコストをトータルして考えても物理サーバで運用した方が安価に済む場合があります。それは、仮想化に必要な専用のハードウェアや専用のOS、運用に必要なツールの導入が初期導入に必要で、運用面ではツールのアップデートにかかる工数、仮想化専用OSの月額ライセンス料金が通常のサーバOSよりも高額であることが理由です。

専門知識が必須である

仮想化は、コンピュータリソースの有効活用を目的としており、柔軟性や拡張性も高いものです。しかし一方でサーバ構築や運用も複雑化しており、CPU、メモリ、ストレージ容量、デイスク使用率などコンピュータリソース管理のポイントが多くなることになります。システム障害などのトラブルにも備えて十分な知識のある技術者に相談をし導入するようにしましょう。

仮想化の種類について

仮想化は大きく種別をすると、デスクトップ仮想化、ネットワーク仮想化、サーバ仮想化、ストレージ仮想化の4つに分けられます。それぞれ利用用途は異なりますが、複数のOSやアプリケーションやディスク容量、ネットワーク機器に関する特定の機能などを単一のハードウェアで動作させることで大容量化したり耐障害性や運用効率を高めたりする目的で利用されます。
特に「サーバ仮想化」ではこの目的が必要とされる場面がよくあるため、仮想化サーバの型式も用途に合わせて構築されます。次のページでは具体的に仮想サーバ構築技術に関して見ていきましょう。

システム運用とは?

システム運用の大まかな定義は24時間365日、問題なくシステムを稼働させるための業務です。システムを構成しているサーバやネットワーク機器はコンピュータで精密機器のため、突然故障する可能性もあります。それがシステム障害の原因になるため、エンジニアが障害を未然に防止するような対策や業務を行ったりバックアップをとるようなシステム構成を考えたり、様々な知識や技術を用いながらシステム運用の業務に取り組んでいます。従ってシステム運用とは、システムの正常状態を維持し、状況に合わせて変化、拡張させることを意味します。

MCSSP

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